教員。妊娠。出産。子育て。

高校教員として働く私の、妊娠、出産、子育て、勉強についての備忘録。

『LEAN IN』を読んで①

 

LEAN IN(リーン・イン) 女性、仕事、リーダーへの意欲
 

  ずーっと夫から読め読め言われていた本書を、ようやく読み終えました。正確には、読む時間が取れました。読むのが遅い私でも、合計3時間くらいで読めたのではないかと思います。(国語の教員なのに速読できないのかというご指摘はご容赦下さい。むしろ、言葉が好きだからこそ速読できないのだと自分では思っています。グルメな人が早食いなわけではないですからね。まあこの手の文章は早く読んでなんぼだというのはわかっているのですが、という言い訳。)

 何というか、論点が多すぎて、いくつかに分けて感想を書きたいなあと思ったので、とりあえず今日は①としておきます。

 何はさておき、読み始めるまでに時間がかかりました。これは、本屋さんでも新聞でも話題本になっていたし、何より夫がkindleで原書を読んだ時から「キミもこれを読むべきだ」と強く薦めていたので、女性のキャリアを考える上で素晴らしい本だというのは感じていたのですが、何となく気が進まないものがありました。

 その理由は、こうです。おそらくこの本には著者の華々しい経歴と、以下のような内容が書かれているだろうと予想されたからです。

「女性がリーダーを務めなければ、世の中は変わらない。逃げ腰にならないで。私はこれだけのことを頑張ってきたのだから、あなたも頑張ってリーダーになりなさい!」

 これは、半分は概ねその通りでしたが、半分は異なっていました。彼女の経歴は絵に描いたようなエリートで、間違っても「普通の女性」だなんて思わない方がいいし、自分となんてとてもじゃないけれど比べられないし、真似もできないとは思います。でも、けっこう彼女は「音を上げ」ているのです。「自分はスーパーウーマンじゃない」みたいなことを書いているけれど(まあ実際は十分スーパーウーマンなのですが)、意外なことを気にしているのだなあと思いました。評価されても、成績が良くても、何か周りを騙しているような気がする、とか、女性は自分の実績を主張すると嫌われる、とか。

 その点では、私は、今の教職という仕事でそういうことを気にしたことはこれまでありませんでした。その点幸せなのかもしれません。以前も書いたように、男性と仕事に対する意識や意欲が同じであれば、同じように見られ、扱われる職場です。しかも、男女だけでなく、役職が同じなら年齢もあまり関係ありません。これは、年齢を重視する伝統的な日本社会の中ではけっこう珍しいことなのかもしれません。まあこれは、職場が「学校」というところだし、うちは共学なので、自然と教職員も生徒に対するのと同じように男女差別しない(しようとそもそも思わない)ということなのかもしれません。本書の中でも、男女平等なのは教育を受けている間までで、いざ社会に出たらそうではない現実に直面する、とあります。

 この本の中に出てくるのは、女性の社会進出が当たり前で男性も育児を分担するのが当たり前の「進んだアメリカ社会」ではなく、日本と大して変わらないのではというほど古い価値観がまだ根強く残っているアメリカ社会でした。もっとも、日本はそれに輪をかけて事態は深刻なのでしょうが…。

 そして、この本を読むと、なぜ女性がキャリアを諦め専業主婦になりたがるかが分かります。なりたがってるんですよね、専業主婦に。自分も、そういう気持ちがゼロではないので、よく分かります。そしてちょっと前雑誌で「フルタイム勤務をやめて専業主婦になるのは、億ション買うのと同じくらいのぜいたくだ」という記事を読んで戦々恐々としている自分がいます…。

 まだまだ全然核心に迫っていないまま尻切れトンボになってしまいましたが、またこの続きを何とか書きたいと思います。