教員。妊娠。出産。子育て。

高校教員として働く私の、妊娠、出産、子育て、勉強についての備忘録。

恐怖体験

赤ちゃんが泣くということ

「子どもが泣く」ということがなぜ大変なのか、妊娠前は正直いってよくわかりませんでした。「泣くと何が大変なのですか」と先輩ママにきいてみたところ、あまりに泣くと吐いてしまったりするそうです。確かにそれは大変だなあとは思ったものの、そこまで泣かせなければいいのではなかろうかなどと甘い考えを持っていました。

 

泣くことの大変さとは何か

子どもを産んでみて、「子どもが泣く」ことの何が大変なのか、わかった気がします。

 

まず、「音が大きい」「うるさい」ということです。赤ちゃんは、あんなに小さな身体から、どうやってこの騒音を出すのだろうかというくらい大きな声で泣くものですね。ただ、それだけといえばそれだけで、私自身はあまり気になりませんでした。大きな音が苦手な繊細な人は、毎日泣き声と共に暮らしていると精神的に参ってしまうのかもしれません。(うちの夫がちょっとこれに近くなっていました。繊細すぎる。)

 

あとは、単純に「かわいそう」ということです。本当にこの世の終わりのように泣くので、「なになにどうしたの…!」「一体どんな嫌なこと、悲しいことがあるの!?」と心配になってしまいます。涙を流して泣き叫んでいると、一刻も早く泣き止ませてあげたいと必死になります。でも、特に意味もなく泣くこともあるのですよね。「何が理由なのかわからない」けれども「かわいそうだから泣き止ませたい」ことが、大変だといえます。これは、ある程度はしょうがないので、おむつやおっぱいや抱っこ、体温調節など、やれるだけのことをやった後は、「何となく泣きたいんだ」と私は開き直っています。ちなみに、何をやっても泣くときは、眠いということがうちの場合は多いです。

 

恐怖体験

そういったわけで、私自身は子どもが「泣く」ということ自体は大変ではありますが、あまりストレスは感じていませんでした。ただ、実はとても怖かったことがあります。自分は目に見えないものが見えたりするタイプではないのですが、あれだけはどうしても怖かったのです。

 

それは、子どもが退院してから1週間ほどのこと。夫が出張で一晩いなかった時の出来事でした。いつも夜中の1〜3時の間のどこかで一回は泣くので授乳するのですが、その日もいつものように子どもの泣き声で目が覚めました。ちょうど2時ごろのことでした。昼夜の区別はつくようにした方がいいと思い、夜間は部屋の小さなランプを点けるだけで、薄暗い中で授乳をしているのですが、その日、授乳が終わった直後からすぐまた泣きだして泣き止みませんでした。30分くらいしっかり飲んでいたから、お腹はすいていないはずなのです。何とかあやして泣き止ませようとしましたが、泣き方は次第に激しくなっていきます。ふと見ると、いつもは泣く時は目をぎゅっとつぶっていたと思うのですが、その日は何と目を見開いていたのです!目を見開いているのですが、目線が私と合わず、遠く、私の背後一点を見つめて、この世の終わりのように泣いているのです!これがどれくらい恐ろしいことか、ご想像がつくでしょうか。自分の背後を怯えた目で見つめながら、楳図かずお氏の漫画みたいな顔で泣き叫んでいるのです!!

…もう怖くて後ろを振り返れませんでした。

 

実はまだ続きがあります。そんなこんなで、何とか寝たと思いベビーベッドまで運んでいき、さて置こうと顔をのぞき込むと、何と、うっすら開いた目の上まぶたから黒目の下の輪郭だけが出ている程度に白目をむいた顔が浮かび上がりました。もうこれだけでもゾッとしたのですが、次の瞬間、左側の頬だけがピクッと痙攣したようにうごき、ニヤ〜と口元が笑ったのです…。

…図付きで解説したいです。

 

夫が帰宅後、その一部始終を話したのですが、特に同情はされませんでした。

 

その後、何度か「目を見開いて怯えた顔で私の背後を見つめながら泣き叫ぶ」ことがあり、その度に背筋の凍る思いをしました。思うに、目がまだよく見えないので、目線が自分と合わず、背後を見ているように見えたのでしょう。子どもの視力がついてくるにしたがって、こういうことは減っていったように思います。