教員。妊娠。出産。子育て。

高校教員として働く私の、妊娠、出産、子育て、勉強についての備忘録。

紅葉を見て、この時期の教員の仕事を考えてみました

紅葉を見て、この時期の教員の仕事を考えてみました

 

窓の外の紅葉が進んできて、毎日外を見るのが楽しいです。

 

近所の公園や大学も紅葉がきれいです。昨日買い物の帰り、夕日に照らされた紅葉の美しさを見て時を忘れました。殊に、燃えるような桜の並木が遠くに見えて、春よりも秋のほうが風情があるではないか、などと思ってしまいました。

思うようにも外出できないのですが、この美しい季節を毎日外を眺めて暮らすことができるのは幸せです。これまでの人生で、こんなに外を眺めて暮らしたことがあるだろうかと思います。そして毎日、何度も、「きれいだなあ」と感じられる幸せ。思うように外出はできないものの、空の青さや、雲の高さ、日に日にオレンジ色に色づいていくメタセコイア、散歩道の銀杏並木などを愛でることができて、こういう毎日も娘からのプレゼントだと思います。

 

国語の教員という自分の仕事をしていたときは、逆説的ではありますが、こういう感性を遮断していないとやっていられませんでした。授業で和歌など文学作品を講釈はしても、実際は本人に感動を感じる余裕がない。精神的に本当に貧しい日々を送っていたなあと思います。そんなことで生徒に作品の面白さを感じさせることができたのでしょうか。できていなかったと思います。理解させ、覚えさせる、そのことだけに腐心していた気がします。

 

紅葉を、近所の公園でもいいからゆっくり見たいと思ってはいても、いつもこの時期は、とにかく時間を拘束されてきました。毎年勤労感謝の日は学校説明会をしているので、一日仕事。土曜日も毎週のように午後から学校説明会です(私学なので午前中は授業)。そして12月の頭に2学期末考査があるため、テスト作成に当たらなくてはなりません。しかし、この時期は、私立は入試問題作成が大詰めを迎え、毎日放課後作問検討会議です。万一ミスがあると新聞沙汰になりかねないため、かなり気を張って作問しなければならないのです。そういったわけで、平日、日の照っている間は外に出られず、土曜も一日拘束、祝日も拘束、日曜は溜まった家事とテスト作成となると、気がついた時には紅葉が終わって全部葉が落ちてしまっているのです…。吐き出せてすっきり。

 

こういう働き方は、復帰後はできないでしょう。確か、休日出勤を免除してもらえたりしたはず…。

 

私自身は、あの、仕事をしていた日々と、大変と言われる産後1か月の生活と、どっちが大変かと問われたら間違いなく前者と答えます。育休中、産後1か月が何か月続いてもいいくらいです。産後、夫によく、「お前、大変だな、大丈夫か」と問われるのですが、いつもこう答えています。

「あの(仕事をしている)頃と比べたら、まさに、赤子の手をひねるようなもの」