教員。妊娠。出産。子育て。

高校教員として働く私の、妊娠、出産、子育て、勉強についての備忘録。

教員をしていると新生児のお世話が苦ではない13の理由

誰に需要があるのかは謎ですが、出産後、自分が感じたことを記事にしておきます。

よくある育児雑誌の相談コーナーに寄せられるようなことを、自分はあまり悩まなかったなあと思ったのがきっかけです。

ひとくくりに「教員は」といっていますが、人間的に完成されていて勉強大好きな子どもたちしかいないの学校の教員には当てはまりませんので、ご了承ください。ちなみに、私はこの仕事を愛していますし、生徒も同僚も大好きです。それでもこういう状況です。

あくまで新生児期育児に関してです。
ついでに、各項目に少しコメントも。

  1. 子どもが逃げない
  2. 子どもが話さない
  3. 子どもが無気力じゃない
  4. 子どもに厳しくしなくて良い
  5. 予習・準備がいらない
  6. 仕事が中断されることに慣れている
  7. 食事が摂れない、摂る時間がないことに慣れている
  8. 睡眠時間が足りないことに慣れている
  9. 一方的な語りかけに慣れている
  10. 散歩ができる
  11. 買い物に行ける
  12. 昼寝ができる
  13. 子どもの責任は自分にある
以下、簡単なコメントです。


1.子どもが逃げない


新生児は寝返りさえしない、できないので、目を離したらすぐさま危険な目にあったり、やってほしくないことをする、ということはありません。ましてや逃げたり、来いと言っているのに来なかったりしません。

2.子どもが話さない


新生児は、何かあれば泣くだけです。何を考えているかわからずに悩むこともありますが、代わりに反抗したり、こちらが傷つくような言葉を吐いたり、人のいないところで陰口を言ったりはしません。ちなみに、どんなに好かれている教員でも必ず悪く言う生徒はいます。教員は、人間扱いされないことは割と慣れています。親ではないものの、「親や教師」みたいな言い方をされて、憎悪や甘えの対象になるので、厄介です。教員は、そういうのを楽しめる人じゃないとできない仕事といえます。

3.子どもが無気力じゃない


新生児は何もできません。しかし、何もらやない、というのとは違います。新生児には希望を感じます。

4.子どもに厳しくしなくて良い


新生児にはまだしつけは不用、らしいです。しつけを始めるのは一歳になってから。それまでは、とにかく優しく接するだけ。これはある意味楽です。「叱る」というのは、かなりのエネルギーを要します。ましてや他人に対しては尚更です。適当に良い顔だけしておくのは楽で好かれるのですが、それは教員の仕事をしていることにはならないと思います。しかし、バランスも大切なのでさじ加減が必要です。新生児には、そういったことを一切考えずにただ仏のように接すればいいだけです。

5.予習・準備がいらない


育児の勉強は少しはしましたが、授業と比べると精神的圧迫が全く違います。毎年同じ事をやっていても良い教科や、やっている教員もいますが、自分にはそういうことはできなかったので、毎日緊張の連続でした。

6.仕事が中断されることに慣れている

育児は、やろうと思っていたことが子どもによって中断されるから、うまく進まないし達成感が得にくいのだ、という言説をよく目にするのですが、それは教員をしているとよく感じたことでした。逆にいうと、他のことに邪魔されずにできる仕事があるなんて羨ましい、朝はメールチェックから始まり、その日の自分のスケジュールを組み立てて進められるなんて、それはさぞ捗ることだろうと思ったものです。

7.食事が摂れない、摂る時間がないことに慣れている


授乳して寝かして洗濯して…とやっていると、食事をする暇もとれませんが、赤ちゃんは必ずどこかで寝てくれます。たとえ午後3時頃になったとしても、抱っこしながら立ったままでも、食べられる時にあるものを食べればいいのです。これは、毎日一時間近く昼休みがあり外に出てランチをしていたという人には耐えられないのかもしれませんが、昼休みに面談をしたり、生徒がひっきりなしにやってくる職員室でサンドイッチを飲み込んでいた教員には余裕です。

8.睡眠時間が足りないことに慣れている


遅寝、早起きが身についている教員にとって、たとえ睡眠時間がこま切れになろうとも、朝の支度をゆっくりできて、昼寝も許される産休育休中は余裕です。

9.一方的な語りかけに慣れている


教員は、問いかけても反応がない、自分の話に興味がある人間がその場に1、2人、場合によっては0という環境で話をすることに慣れています。だから、新生児が笑わない、反応がないのにも気にすることなく話しかけ続けられます。ただし、何か話をするきっかけや題材がほしいものです。(絵本など)

10.散歩ができる


晴れた日は外へ出て散歩ができます。これは子どもにとっても親にとっても精神衛生的に良いです。

11.買い物に行ける


人で混まない平日にお買い物に行くことができます。これは、親にとっては精神衛生的に良いです。

12.昼寝ができる


8でも書きましたが、たとえ睡眠不足でも、眠ければ子どもと一緒に昼寝をすればいいので楽です。実際は寝なくても、「いつでも寝られる」と思うことで気が楽になります。

13.子どもの責任は自分にある


最終的には、子どもの責任は自分にあるので、自分でやってあげたいことの中からやることを決められます。他人の子どもの相手をするのと、決定的に違うところです。他人から要求されたり苦情が来ないかとおもんばかりながらしなくて良いので、楽です。


書き出してみての所感


自分の仕事に感じていた困難の多くは、ティーンネイジャー育児について言えることなのかもしれません。何せ高校生相手なので。新生児とは違いますよね…。

でも、ああ、同じだなと感じることも実はあるのです。だから、教員をやる人には、やっぱり子どもを持つ女性も必要だと思います。働き続けられる仕事であることは、子どもにとっても必要なことだと心から思います。